テレワークは気軽にどこでもおこなえる、というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実施するには最低限必要なものを揃え、環境を整備する必要があります。

では、具体的にどのようなものを用意すればよいのか、また環境はどう整備すればよいのか、準備しておくべきもの・ことをご紹介していきます。

テレワークを実施するために必要なもの

では、早速テレワークを実施するのに用意する必要があるものをまとめてご紹介します。

ノートPC

まず基本のアイテムです。デスクトップPCでも構いませんが、外出先への持ち運びや社内から自宅への持ち出しなどを考慮すると、ノートPCのほうが便利です。

ただ、デスクトップPCの場合は持ち運びができない代わりに性能の高さが特長です。

インターネット環境

インターネットに接続する通信環境の整備も必須です。会社からモバイルルーターなどを貸与する場合がありますが、自宅のインターネット環境をそのまま利用するケースが多いと思われます。

その場合は「テレワークを実施するために必要な事前準備」の項で紹介しているような、セキュリティ対策をおこなう必要があります。

パソコンデスク・椅子

長時間のデスクワークは、想像以上に体に負担が掛かります。ダイニングテーブルなどをそのまま使って作業すると、姿勢が悪くなり肩こりや腰痛などが生じてしまうかもしれません。

テレワークの頻度が高いようであれば、そのためのパソコンデスクや専用の椅子を用意するか、自宅のパソコンスペースをテレワークのパソコン用に開けて利用するのがおすすめです。

ヘッドセット

ビデオ会議・Web会議などを利用する場合、ヘッドセットがあれば場所を選ばず気軽にミーティングをおこなうことができます。

お互いの顔が見える状態で会議をおこないたい場合、カメラ搭載のPCでないのであればWebカメラも用意しておくとよいでしょう。

Web会議システム

上記でも触れましたが、テレワークで社内ミーティングをおこなう場合は、Web会議システムのアプリもしくはツールのインストール、アカウント作成などが必要です。

最近は「Skype」や「Zoom」「appear.in」などWeb会議に使えるサービスも充実しています。その特徴を比較して社内でどのシステムを利用するか、また使い方なども確認しておくとよいでしょう。

モバイルバッテリー(モバイルワーク)

自宅やサテライトオフィスでのテレワークではなく、外出先で作業するモバイルワークをおこなうのであれば、モバイルバッテリーも用意してあると電池切れの心配がありません。

のぞき見防止フィルム(モバイルワーク)

カフェや交通機関など外出先で作業をおこなう場合、席の近い人に画面をのぞかれてしまう可能性があります。機密情報やアカウント情報などが見られたら悪用のリスクもあります。

それを防ぐために、パソコンやタブレットの画面には「のぞき見防止フィルム」を貼っておき、壁を背にして座るなども効果的です。

テレワークを実施するために必要な事前準備

テレワークの実施にはモノだけでなく、事前に社内で決めごとなどをつくっておくことも重要です。どのような準備をすべきか具体的にご紹介します。

社内のルール作り

テレワークでの業務を円滑に進め、かつトラブルを防ぐためには、社内でのルール作りが不可欠です。具体的には以下のようなルールを設定・実行するとよいでしょう。

テレワークの導入範囲を設定する

テレワークには「在宅勤務」「サテライトオフィス」「モバイルワーク」などの形態があります。自社もしくは導入する部門によりどの形態が最適か設定し、就業規則に盛り込む必要があります。

また、テレワークを許可する社員の条件や対象、期間や回数なども決めておきます。

テレワーク導入に係る社員研修・教育をおこなう

テレワークの社員が増えても円滑に業務を進められるように、全社員に対してテレワークでの業務の実施方法、制度の利用手順などを周知・徹底することも必要です。

テレワークでの勤怠管理に関する取り決めをする

テレワークでも適切に勤怠管理をおこなうために、どのようなルールで管理するかを就業規則に新しく追加、もしくは「テレワーク勤務規程」という個別の規程を定めておく必要があります。

また、パソコンやスマホなどで利用する勤怠管理システムを導入し、出退勤の時間のほか残業、夜勤などがある場合もそれを記録できるようにしておきましょう。

セキュリティ対策

在宅や外出先で作業する場合、ネットワーク環境やPCの扱い方などでセキュリティリスクが生じやすいです。情報漏えいなどを発生させないためにも、つぎのような対策を実施しましょう。

端末管理の徹底

PCを持ち出すと置き忘れや紛失のリスクがあります。紛失しないように注意するのはもちろんですが、万が一に備えてデバイスの認証を強化したり、ハードディスクを暗号化したりしておくと安心です。

また、出先で作業するときは離席時にパスワードを掛けてログオフにしたり、また置き引きされたりしないように注意してください。

会話の漏えいに注意

出先で電話をしているときなど、無意識に機密情報や個人情報を口にしてしまう可能性があります。誰が聞き耳を立てているか分かりません。この部分にも注意が必要です。

ウイルス対策

ウイルス感染の予防にセキュリティソフトをインストールするほか、ファイアウォールを導入することで不正アクセスを防止できます。

不正アクセスを防ぐほか、万が一侵入されてもいち早く対処するために、IPS(侵入防止システム)やIDS(侵入検知システム)の導入もおすすめです。

ICT(情報通信技術)環境の整備

テレワークに利用する端末やネットワークなど、ICT環境をどう整備するかも課題になります。それぞれ解説していきます。

テレワークに利用する端末

テレワークには、つぎのような端末を利用する方法があります。どれが自社、部門に最適化検討してみてください。

◇ファットクライアント(リッチクライアント)型 PC

「ファットクライアント」とは、内蔵のハードディスク内に情報を保存するタイプの端末のことです。社内で利用するような一般的なPCをいいます。

◇シンクライアントPC

シンクライアントとは、多くの機能がサーバーで処理されるため、入出力程度の機能のみの端末です。データの作成、保存もサーバー上でおこなわれ、端末内に保存されません。

そのため、端末を紛失・盗難に遭った場合もデータを漏えいするリスクがありません。テレワーク専用のPCとして貸与するのに適しています。なお、シンクライアントサーバーも用意する必要があります。

◇タブレット・スマートフォン

営業職などの社員が移動中のメール対応や、決裁業務、勤怠管理などカンタンな操作をおこなうのに便利です。業務に必要なアプリのみ利用できるよう制限を掛けることで、セキュリティ対策がおこなえます。

また、MDM(Mobile Device Management)が可能な環境を構築しておけば、端末を紛失した場合に遠隔からロックを掛けたり、位置情報を検索したり、データを消去したり、といった操作がおこなえます。

◇BYOD PC(社員の私物PC)

社員の私物であるPCやスマートフォンなどの端末をそのまま業務で使うことをいいます。社員は使い慣れた端末をそのまま利用でき、企業側も新たにPCを用意する必要のない点がメリットです。

ただ、そのまま利用するとセキュリティ面は社員任せになってしまうため、端末自体をシンクライアント化したり、リモートデスクトップを利用したり、端末にデータが残らないようにするとよいでしょう。

企業内ネットワーク

自宅のネットワーク環境をそのまま使ったり、出先でWi-Fi接続したりすればインターネットの利用はできますが、とくに公衆Wi-Fiは通信の暗号化がされないため、セキュリティ面で不安があります。

そこで、インターネット回線上に組織内の専用線を仮想的に作る「VPN」を構築し、これを経由し暗号化処理を経たうえでインターネットを利用する企業もあります。

VPNを構築するのであれば、利用している回線がセキュリティ面で問題ないか、また回線を利用する際の速度や通信量の制限の有無、新しいシステムを導入した場合にそれを利用できるかなど、確認が必要です。

まとめ

社員の自宅にネットワーク環境があり、社内で利用している端末がノートPCであれば、テレワーク自体は比較的スムーズにスタートできることとでしょう。

ただ、社内でのルール決めやセキュリティ対策の部分は、新たに実施しなくてはならないことがあると思われます。トラブルを避けるためにもこの部分を適切に設定し、周知徹底しましょう。